- masaya fukuda
- Jul 25, 2019
アプリ炎上事件から見る正しい対策法
3月末、とあるアプリゲームが一部で炎上しました。その流れを見ていき、炎上を防ぐ方法を探ります。
総務省が発表した「平成29年版 情報通信白書」にてスマートフォンの普及率は2016年で71.8%となっている。
また、スマートフォン利用者のネット利用時間も十代、二十代において平日1日あたり2時間を超えている。
そのような背景で急速に成長している業界がある。スマホアプリだ。
毎月毎月新作が発表され、以前はゲーム機で発表していたシリーズの最新作をアプリでリリースするといったことも珍しくなくなってきた。
アプリを開発している側としてはライバルがたくさんいる状況でいかに自分のアプリに目を向けさせるかが重要となってくるわけである。
そこでリリース前から事前登録という形で注目させる手法がメジャーとなってきている。
この手法は注目させることとリリースした際にどのくらいの人数がアクセスしてくるか把握する役割も担っている。
この把握するということが実はアプリ運用でかなり重要になってくる。
ここで接続人数を少なく見積もってしまうとサーバダウンでアプリ自体のサービスを提供できなくなってしまうからだ。
しかし、最近は事前登録を行っているにもかかわらず、サービス開始してすぐにメンテナンスを行うアプリが少なくない。
これは様々な要因があるため一概には言えないが、最初に引けるガチャでいいものが引けるまでアンインストールとインストールを繰り返す行為、
通称リセットマラソンを行うユーザが多いことが大きな要因となっていることがある。
このリセットマラソンについては把握するのが難しいであろうからリリース直後のメンテナンスは避けられないようになっていくであろう。
さて、2019年3月末、とても悪い意味で注目されたアプリがあった。
このアプリもリリースしてすぐにメンテナンスを行うこととなったのだが、ほかのアプリと一味違った。
3月19日。アプリがリリースされてすぐよくあるアクセス集中による緊急メンテナンスの告知があった。
ここまでは最近リリースされたアプリではよくあることである。
その後もメンテナンス時間を少しずつ延長していく。
3月21日にはアプリの抜本的修正が必要なんて言ってしまう。
外部専門家の協力を得ながらサーバとアプリの問題点把握と改善を図ろうとする。しかし、まだ強気に3月中の再開を変えない
アクセスログ解析の結果海外から過剰なアクセスがあったためサーバがパンクしたとの説明。
3月30日、テスト環境では問題なく動いているが本番環境ではエラーが発生しているため対応していることを暴露。
3月中の再開などどう考えても無理なのに本日中に再開するとアナウンス。
今までも対応がおかしかったアプリ開発会社だが、この後アプリゲームでは前代未聞の重大な失敗をしてしまう。
入場制限付きでのサービス再開。しかも再開してしばらくしてから事後報告。
最近のアプリは無料でも遊べるが、課金をすることで無料で遊んでいる人より効率的に短時間ですすめるようになっている。
入場制限付きでサービス再開ということは課金をした人でも先にゲームを始められた無料で遊んでいる人に追いつけない可能性が出てくるということになる。
ここでいわゆる炎上状態となったのである。
さらに本番環境にテストプレイで使用したとても強いステータスのアカウントを残したままサービス再開したため、
そのアカウントデータを仲間にする機能を利用した急速なレベル上げが行われ、さらに格差が発生。
結局アプリの全アカウントリセットを行う事態となった。
この事例で学ぶべきことは以下となるだろう。
・報告の重要性
公式アカウントでは頻繁に報告をしていたように見えたが、事後報告が多かった。
そのため、すでにユーザが知っていることを後出しで伝える形となっていた。
これでは報告とは呼べない。
把握した時点で報告することは信用という点でも重要である。
・見積の必要性
事前登録を行ってのユーザ想定の甘さもそうだが、不具合や海外からの過剰なアクセスが発覚しても再開時期は変わらないと強調していたことは非常にマイナス点である。報告後にどのくらいかかるか調査を行って正確な日数を再度報告することを行っていればこれほど炎上状態にはならなかったであろう。
まとめてみると至極当たり前のことができていなかったという結論になるのだが、ライバル会社も多い業界であればスピード重視となってしまうのかもしれない。
そこを品質重視に視点を変えることが必要になってくるであろう。
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